洗剤や洗顔料を選ぶときに目にする中性・酸性・アルカリ性という表示。これは水素イオンの濃度によって変化し、それを数値で示す指標がpH(ピーエイチ・ペーハー)です。飲用水の水質検査や食品の品質管理等に使われる指標でpHは1~14までの数字で表示されるのですが、なんとなく聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。今回はこのpHについて、解説したいと思います。
▼pH(ピーエッチ)ってなに?

「pH」とは液体の中に含まれる「水素イオン」を測定するための指標となる表記です。液中に水素イオンを表す「H+」がどのくらい溶けているかによって、酸性、アルカリ性が決定します。pHの値が小さい場合は酸性、中間は中性、大きい場合はアルカリ性というふうに分類されています。
酸性 | 中性 | アルカリ性 | |
pH値 | 1~6 | 6~8 | 8~14 |
そしてボディソープや洗顔料のパッケージに表示されている弱〇〇という表示は中性に近いことを指し、数値が3~6のものは弱酸性、8~11の数値は弱アルカリ性です。
▼中性と酸性、アルカリ性の特徴

1.中性
中性はその名の通り、酸性にもアルカリ性にも属さない中間にいるものです。電気的にプラスでもマイナスでもない状態を指します。しつこい油汚れや水アカには不向きですが、酸性とアルカリ性の間にあるため、両方の軽い汚れを落とせます。
がんこな汚れに向いていないのであれば必要ないのではと思われるかもしれませんが、大切な家具や家電、フローリングの掃除に活躍します。また、デリケートな手肌に対して安心して使えるため、日常的な洗剤は中性を選ぶとよいでしょう。
・中性洗剤が得意とする汚れ一覧
ほこり
手アカ
皮脂
食器
浴槽
2.酸性
酸性は数値が低いほど強い性質を持ち、鼻につくニオイがあり、触ると皮膚がピリピリもしくはチクチクするような刺激があります。口にするとレモンやお酢のように酸っぱい味がします。炭酸水は無味無臭ですが、これも酸性です。
用途としては、水回りの掃除、食品の保存や調理、健康のためなど、多岐にわたります。酸性洗剤が得意とするのは酸性の汚れ落としではなくアルカリ性の汚れを落とすことです。酸性汚れに酸性を使わないように注意しましょう。
・酸性洗剤が得意とする汚れ一覧
水アカ
石鹸カス
尿石
尿はね
タバコ、生ゴミの臭い
アンモニアの臭い
3.アルカリ性
アルカリ性は数値が高いほど強い性質を持ち、酸性の汚れや臭いの中和を得意とします。苦味があり、触るとヌルヌルしています。代表的なものは水道水を電気分解したアルカリイオン水、重曹水の3つです。また、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)は強いアルカリ性で鹸化反応によって油脂を分解するため、石鹸の材料として使用されています。
自然界に存在する石灰岩や海水もアルカリ性です。これらはpHが高いため、地質や水質に影響を与えます。暮らしの中では重曹、石鹸、セスキ炭酸ソーダが使われ、食品としてはラーメンの原材料のひとつであるかんすいやパンを膨らませるベーキングパウダーがあります。
・アルカリ性洗剤が得意とする汚れ一覧
油汚れ
湯アカ
ぬめり
血液
皮脂汚れ
カビ
ヤニ
▼水道水のpHは?

私たちが毎日飲んでいる水道水にもpHが存在します。水道水に対しては厚生労働省が定めた水質基準に設定され5.8~8.6というふうに定められています。私たちが安全に暮らせているのはこの基準があるからなのです。
水源によって異なるpH値をどのように調整しているのかというと、pH調整剤を使用してコントロールします。水の濁りを取るための凝集剤や消毒用の塩素はpH値によって左右されるため、いつでも同じ水質をキープできるように導入されているのです。
ミネラルウォーターの水質基準も水道水と同等の5.8~8.6の範囲内で設定されています。pH値は水に含まれるミネラルの影響も受けますので、軟水は中性より、マグネシウムやカルシウムが多く含まれる硬水はアルカリ性よりになります。
人間の血液はpH7.35~7.45の弱アルカリ性であるため、酸性のものを口にした方がいいかと思われがちですが、これは内臓の働きで常にキープされているため、こだわる必要はありません。
ただし、あまりにも強い酸性やアルカリ性の飲み物は胃の粘膜に影響を及ぼす可能性がありますので、注意しましょう。
▼pHと硬度は違うもの?
pHと硬度は液体に対して使うワードなので、同じものというイメージがあるかもしれませんが、この2つは異なるものです。硬度はミネラルの含有量によって基準が定められ、硬水と軟水の2種類に分けられ、日本の水道水は軟水です。
▼pHが肌に与える影響

肌に対しては弱酸性がいいといったCMがありますが、それは肌のpHが4.5~6だからです。これは弱酸性の値と一致するため、この範囲内の洗顔料を使えば肌のバランスがキープできるということを表しているのです。
弱酸性が保てなくなると、肌のバランスが崩れます。酸性に傾くと脂性肌になり、肌のベタつき、毛穴の黒ずみにつながります。アルカリ性に近づくと肌にかさつきを感じやすくなり、乾燥肌に傾くのです。
健康的な肌が弱酸性と言われるのなら、洗顔料もそれを使いたくなりますが、前述したように一般的な石鹸や洗顔料は弱アルカリ性です。それはアルカリ性が得意とする皮脂や汗、メイク汚れ、角栓といった油分の高い汚れを洗浄してくれるからです。また、酸性の汚れと合わさって中性になり、水で流しやすいというメリットも持ち合わせています。
それでも肌にはアルカリ性ではなく、弱酸性を使った方がいい気がしますが、私たちの肌には「アルカリ中和能」というアルカリ性に傾いた肌を弱酸性に戻す働きがあります。そのため、弱酸性のものを選ぶ必要はないのです。
しかし、弱酸性の洗顔料がまったく役に立たないわけではありません。肌が乾燥しているときや敏感になっているときは肌がアルカリ性よりになっています。そこへアルカリ性の洗顔料を使うと負担になってしまうため、弱酸性のものを選んでください。
ただし、肌がベタついているときや皮脂が気になるとき、マスカラや口紅をしっかりつけているときは別です。弱酸性では落としづらく、落ちきらなかった汚れが肌あれの原因になる可能性もあるからです。そういうときはアルカリ性の洗顔料、クレンジングがおすすめです。
また、弱酸性でも肌が荒れてしまうときは、その製品に強い界面活性剤が入っている可能性もあります。肌に不安を感じやすい方はどんな成分が入っているのか表示を確認して購入しましょう。
▼いつもの水道水をグレードアップ
デリケートな肌に対して、弱酸性とアルカリ性、どちらの洗顔料を使えばいいのか見分ける必要があります。しかし自分で判断するのは難しく、洗顔料を買いそろえるのも手間がかかりますよね。そんなときは洗顔に使う水をナノバブル水に変えましょう。
ナノバブル水は毛穴より小さなバブルが含まれた水です。この小さなバブルはマイナスの電荷を持っているため、プラスの電荷である毛穴汚れにピタッとくっついて洗い流します。洗顔料で落としきれない汚れを吸着するので、弱酸性、弱アルカリ性、どちらの性質にも左右されません。お気に入りの洗顔料を使いながら肌ケアができるのです。
ナノバブル発生装置ビューティアクアを使えば、家中すべての水がナノバブル水に。シャワーヘッド、浴槽、洗濯、食器洗いにもナノバブル水が使えて便利です。肌以外にも洗浄力の強い食器洗剤を使うと手が荒れてしまう。衣服をキレイに保ちたいから、刺激の少ない洗剤を使いたい。みなさまの希望に寄り添います。酸性がいいのか、アルカリ性がいいのか、迷ったときは水を変えることも検討してみてくださいね。