ホームセンターや園芸店で一目ほれして購入した観葉植物。毎朝きちんと水やりしていたのに、冬になると一斉に枯れてしまった。こんな経験はありませんか。この記事では冬になると枯れてしまう原因と対策を紹介します。お気に入りの植物と春を迎えるための参考にしてくださいね。
観葉植物が冬に枯れる主な原因と対策
観葉植物が冬越しできない原因は主に3つあります。水やりのしすぎ、日当たりが悪いことや置き場が問題です。冬を迎える前にこれらの対策をしましょう。具体的にやることをまとめましたのでご覧ください。
1.水やりのしすぎ
私たちが決まった時間に食事をとるように、植物も決まった時間に水やりをするのが当たり前のように思いますが、植物は気温が低下すると水を吸収しなくなります。なぜなら、休眠期に入るからです。そのため、気温の高い季節と同じように水やりしても水を吸わず、常に湿った状態を作ってしまい根腐れしてしまうのです。
そうならないために気をつけることは水やりのタイミングです。
観葉植物は春から夏、暑さの残る初秋までは土が乾いたときに与えるのが最適ですが、寒い時期は土の表面が乾いて2、3日経過したタイミングで水やりしましょう。
2.日当たりが悪い
植物は光合成によって生長しますので、いくら暖かい部屋でも日当たりの悪い場所に置くとうまく光合成できず枯れる原因につながります。休眠中だからといって光合成しないわけではないため、朝6時から17時頃の間、光を感じとれる場所に置く必要があります。蛍光灯でも大丈夫な場合もあるかもしれませんが、自然な光がはいらない場所、奥まった玄関、トイレ、お風呂場での生育はハードルが高いので避けましょう。
また、風通しの悪い場所では二酸化炭素を効率よく取り入れられないため元気がなくなります。暖房によって葉が乾燥するケースもありますので、気をつけてください。風通しがよく午前中にやわらかい日差しがあり、50%前後の湿度があるところが、植物にとって理想的な場所ですので参考になさってください。
3.置き場が悪い
観葉植物の多くは熱帯地方が原産なので寒さが苦手です。冬になるとどんどん元気がなくなっていくのは植物の特性として仕方のないことでもあります。しかし、寒さに弱いという点が分かれば、大丈夫です。屋外に出しっぱなしということが避けられます。
室内でも気温の低い場所は避けましょう。窓辺は明るいため植物にとって最良の場所のように思いますが、冬場は注意が必要です。窓は空気の出入り口であり、寒くなると58%の熱が窓から出ていくとされています。観葉植物にとっての適温は15~25℃です。窓から遠ざけて冷気の入らない場所に置きましょう。
冬場にやらない方がいいこと
観葉植物のためによかれと思っていたことが、枯れる原因になることもあります。冬にやってはいけないNG行動に注意しましょう。
1.肥料や栄養剤を与える
秋から冬にかけて植物は休眠期で活性が落ちるため、どんなに肥料や栄養剤を与えても吸収しません。葉っぱがしおれたり、焼けたように枯れたりするので避けましょう。夏ほど活発に生長しないため、元気がないのかと肥料や栄養剤を与えてしまいがちですが、逆効果。春、夏の生長期に適切なものを与えるようにしましょう。
2.植え替え
冬場は大掃除で庭掃除をしたついでに新しい鉢に植え替えようという気になりますが、植え替えによって植物の根にダメージを与えるため避けるようにしてください。春や夏は新しい根が生える時期なので傷がついても新しい根が生えますが、休眠期にすると戻るまでに時間がかかります。最悪の場合、それが原因で枯れてしまうこともあるので、植え替えは暖かくなってからやりましょう。
冬越しの失敗をしないために
日当たりのいいところで適切な水やりをするだけでも大丈夫ですが、さらに寒さから守る方法があります。身近なもので対応できますので、プラスαで実践しましょう。
1.葉っぱにも水分補給する
空気が乾燥していると、肌が乾燥するのと同じように葉っぱも乾燥しますので葉水(はみず)をしましょう。葉水とは、霧吹きで葉の裏表をぬらす作業です。ただぬらすのではなく、霧吹きで葉っぱ全体にミストをまとわせるようにするのがポイントです。乾燥防止のほか、光合成のサポート、害虫予防の役割もあります。水やりと同じタイミングでやってみてください。
2.保温対策する
窓際など冷えやすい場所を避けたいと思っても、それ以外に置ける場所がなかったり、室内の気温を保つのが難しかったりするときは保温します。私たちが冷え対策でダウンを着るように、植物も防寒対策をするイメージです。ダンボールや発砲スチロールの箱に植物を入れるだけでOKですのでとても簡単にできます。旅行などで暖房をオフにするときはビニールシートで覆う方法もあります。蒸れないように適度にすきまを設けるなど工夫しながらセッティングして冬越えのサポートをしましょう。
3.マルチングする
マルチングとは、さまざまな資材を使って株を守ることで、この資材のことをマルチング材と呼びます。地中の温度の低下を防いだり、水分が蒸散しないようにコントロールしたり、防虫や雑草対策をしたりする目的で行います。代表的なマルチング材は腐葉土やバークチップなどが一般的です。落ち葉でもできますので、庭にたくさんあればマルチング材として有効活用しましょう。
冬越しに失敗したらどうしたらいい
どんなに気をつけていても冬越しに失敗するときもあります。しかし、枯れていると思ってもそうでない場合もあります。本当に枯れてしまったのかどうか、元気がないときの対処法がありますのでチェックしてくださいね。
1.枝をチェック
どんなに気をつけていても失敗はつきものです。落ち込む前にやりたいことは再生できるかどうか判断すること。まずは枯れた植物の枝を切断してください。枝の断面が緑色であれば可能性があります。しかし、茶色の場合は残念ながら再生できません。
枝の断面が緑色の場合は、新芽が出るのを待ちましょう。春先に水やりを再開すると徐々に新芽が出てきます。植物は思っている以上に丈夫です。枯れたように見えてもそうでないケースもありますので、必ず確認してください。
2.根腐れしてしまったら
水の与えすぎで根腐れが発生している場合は腐った根を取り除く必要があります。一度鉢から取り出し根をしっかり乾燥させたら、黒ずんで腐った根の部分をカットしてください。寒い時期は植え替えに適さない上、根をカットしている間に弱ってしまう可能性もあります。けれども、15~25℃の室温がキープできるのであれば植え替えも可能です。
黒ずんだ部分をカットしたら新しい土根腐れ防止剤を混ぜて植え替えましょう。ここでのポイントは根腐れした土を再利用しないことです。植え替えが完了したら2、3日様子をみてから水やりをしましょう。それでも復活が難しい場合は挿し木がおすすめです。健康な枝や茎を15cmほど切断して、水に2、3時間浸してから土に植えます。数日待つと発根しますので、様子をみながら水を与え、新たな株として育てましょう。
便利グッズ
忙しいときやはじめての観葉植物で判断に迷うときは、便利グッズに頼りましょう。管理がぐんとラクになります。
・水やりチェッカー
せっかくの植物を水やりの失敗で枯らしたくない、けれどもやりすぎなのかどうか土に触れても分からない場合は水やりチェッカーを使いましょう。土に挿すだけで、水やりが必要なタイミングかどうかが分かる便利グッズです。一目で分かるよう目盛りや色で確認できるような設計になっているため、忙しい人にもおすすめです。園芸店やホームセンター、通販で購入できますので、ひとつ持っておくと安心です。
・加湿器
観葉植物を乾燥から守るために加湿器を利用して、湿度50%前後に調整しましょう。湿度50%前後と聞くとジメジメしている気がしますが、室温20℃、湿度50%にすると体感温度が上がり、人間にとっても過ごしやすい環境になります。また、湿度40%以下になるとインフルエンザのウイルスが活性化しやすく、60%以上になるとカビやダニが好む湿度になりますので、効果的に使ってください。
・ナノバブル水
観葉植物が快適に冬越しするために光と同様に重要なのが水です。ナノバブル水を使って休眠期も効率よく栄養を循環させましょう。ナノバブル水は浸透性が高く、冬に乾燥で固くなった土壌にも染みこみやすい特徴があります。
さらにマイナス電荷を帯びていることで、水道水に含まれるプラスの電荷(ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウム・ケイ素)と結びついて栄養素を運搬します。そして植物の生長にいい影響を与えるのです。実際に農業でも活用され、東北大学の研究では本わさびの種子の発芽率を20%から70%程度まで高めることに成功したという成果も上がっています。水にもこだわって大切な植物とともに春を迎えましょう。
観葉植物が冬越しできない主な原因は、水やりのしすぎや日当たり、置く場所の悪さが原因でした。元気がないからといって肥料を与えすぎるのもNG。保温対策やマルチングをして植物にとって最善の環境をつくってくださいね。
参考:東北大学 2023年 | プレスリリース・研究成果 ナノバブルでワサビの発芽率が3倍超に! イオンとの相乗効果による新機能の発現に成功 2024/12/20