聖なる夜をもっとスペシャルに・クリスマスを彩るアロマセラピー

聖なる夜をもっとスペシャルに・クリスマスを彩るアロマセラピー

クリスマスの過ごし方といえば、家族そろってチキンとケーキを囲んでワインを飲み、友達同士で過ごす人はクリスマスマーケットにでかけて、海外のようなクリスマスを過ごす人もいるかもしれません。どれも素敵な過ごし方ですが、今年はいつものクリスマスに香りというエッセンスを加えて、さらにスペシャルな日を過ごしてみませんか? 今回の記事ではクリスマスにまつわる香りと具体的な働きについて紹介します。最後まで読んでクリスマスの演出に取り入れていただけたらと思います。

1.アロマセラピーってなに?

アロマセラピーは精油(エッセンシャルオイル)を用いておこなう自然療法です。香りを楽しみながらリラクセーションやリフレッシュを促し、心と体のバランスを整えます。クリスマスと関係のないように思われますが、キリスト生誕と香りは密接に結びつき、避けては通れないエピソードがあるのです。

2.クリスマスとアロマセラピー

①キリスト生誕にまつわる香り・東方の三賢者の贈り物

キリスト生誕の際、ベツレヘムの馬小屋に三賢人が訪れ、キリストの誕生を祝ったというエピソードがあります。そのときに贈られたものが黄金、乳香(フランキンセンス)没薬(ミルラ)の3つです。黄金は知っているかもしれませんが、乳香と没薬は木の幹を削ったときに出てくる樹脂のことです。これらは古代から神聖な儀式や瞑想に使われてきた香料で、現代でも聖なる香りとして扱われています。

・フランキンセンス

エチオピアやケニア、ソマリアのように暑く乾燥した地域に育つ植物です。幹を削ったときに出てくる乳白色の樹脂を乾燥させて蒸留させたものが精油になります。呼吸を深くすることによって気持ちを落ち着かせる働きがあり、咳や呼吸器系のトラブルに向いている精油です。

・ミルラ

ミルラもフランキンセンス同様に樹皮から採取し、固まると黄色から赤褐色になります。抗酸化の働きがあるため、エステの分野では肌の保護やエイジングケアとしてスキンケアに最適です。おなかの調子が気になるときは植物性のオイルとブレンドして、セルフマッサージすると調子が整います。

②オーナメントの起源になった香り・オレンジポマンダー

オレンジにクローブを刺してシナモンなどのスパイスをまぶし、乾燥させた香り玉を『オレンジポマンダー』と呼び、フランス語の「pomme d’ambre(香りのするリンゴ)」に由来します。14世紀のヨーロッパでペストが流行したときに病気の予防、魔除けとして使用されていました。それが、時代とともに形を変え、幸福を呼ぶシンボルとしてクリスマスツリーのオーナメントとして飾る習慣が残っています。

・オレンジ

オレンジはインドのアッサム地方が原産ですが、イタリア、アメリカ、コスタリカ、ブラジルが主な産地です。精油は果実の表面にみられる粒々の部分に含まれており、皮を圧縮しながら精油を抽出します。睡眠の質を高くしたいときにぴったりの精油で、寝る前に嗅ぐことにより、リラックスして眠りにつき、翌朝すっきり起きられるようになります。

・シナモン

主な産地はスリランカ、マダガスカル、インドネシアで樹皮や葉を使って精油を抽出します。スパイシーで温かみのある香りが特徴的です。アップルパイやチュロスのようなお菓子やコーヒー、チャイ、ワインに香り付けされているため、とても身近な精油です。

・クローブ

クローブは歯科医院を思わせる香りが特徴的で、花のつぼみ(花蕾・からい)から抽出します。感染症予防として空気をフレッシュにする目的で使用されます.単独で使用するとクセの強さが目立ちますが、シナモンとオレンジに合わせると温かみのある香りへと変貌します。

③クリスマスの象徴・ツリーの香り

ヨーロッパの厳しい冬でも枯れないもみの木は「永遠」を意味し、キリスト教ではイエス・キリストが与える「永遠の命」の象徴ともされています。キリスト教の聖人ボニファティウスが、異教の信仰の象徴だった樫の木を切り倒した際、一本のもみの木だけが残ったという伝説から、モミの木がクリスマスツリーとして使われるようになりました。森林浴のアロマといえば、ジュニパーベリーとサイプレス、シダーウッドアトラスの3種類です。どれも深呼吸がしたくなる香りです。

・ジュニパーベリー

主な産地はアルバニア、インド、フランス、ブルガリアで球果から抽出します。さわやかな森林の中にいるような香りが特徴的で、ジンの香りづけに使用されてきました。肌に対しては引き締めの働きがあるため、オイリー肌のボディケアに向いています。

・サイプレス

スペイン、フランス、モロッコが主な産地です。サイプレスは20~30mにまで伸びるため、天高く上る聖木として寺院や墓地に植林され、南フランスでは防風林としても活用されています。葉から蒸留された精油はジュニパーと同じα-ピネンという成分が含まれ、森林浴を彷彿させる香りを持ちます。

・シダーウッド・アトラス

モロッコのアトラス山脈を産地としており、ウッディさの中に甘さとスパイシーさを持つ香りです。木部を蒸留して抽出します。リンパの流れをよくする働きがあるため、むくみやセルライトといった悩みのあるときに役立ちます。やる気や集中力を高めたいときにもおすすめの香りです。

④クリスマスのお菓子・キャンディケーン、ジンジャーブレッドの香り

クリスマスツリーを一層楽しいものにするのがお菓子のオーナメント。ステッキの形をしたお菓子をキャンディケーン(candy cane)といい、caneは杖という意味があります。カラフルなストライプ模様が特徴的ですが、これはイエスキリストの流した血を意味しているといわれています。また、逆さにすると「J」になるため、イエスをあらわすJesus(ジーザス)をかたどっているのではないかなど、いろいろな説があります。バニラの香りがするベンゾインとキャンディの定番ペパーミントの香りを使うとお菓子の世界が広がります。もうひとつ、忘れてはいけないお菓子はかわいい人型をしたジンジャーブレッドです。そのままでももちろん、ミルクに浸してもおいしいお菓子です。

・ジンジャー

インド、中国、ネパール、ジャマイカを産地とし、根茎を蒸留して精油を抽出します。ジンジャーティーやジンジャーエールを飲むと元気が出るように、その香りは頭をスッキリさせて、無気力感を払拭して心にエネルギーと自信を与えます。体を温めるのを得意とするので、冷えが気になるときのセルフマッサージにも使えます。

・ベンゾイン

ベンゾインは安息香ともいわれ、インドネシアやタイが産地です。バニリンという成分が含まれているため、バニラのような香りが特徴的です。フランキンセンスやミルラと同様に樹脂から採取される植物で、固まりやすい性質を持っています。皮膚を保護するのに役立つことから、乾燥やひび割れ、しもやけなどのトラブルケアに適しています。

・ペパーミント

ペパーミントはアメリカ、インド、中国が主な産地です。ミントにはいろんな種類がありますが、ペパーミントはスペアミントとウォーターミントを自然交配させて生まれた植物です。鼻をすーっと突き抜ける香りがあるので、眠気防止に使えます。また、体感温度を下げる働きがあるため、お風呂に入れるのは避けましょう。

3.使い方を守って香りあるクリスマスを過ごしましょう

精油は植物のエキスをギュッと濃縮したものです。そのまま使うと肌荒れなどのトラブルになりますので、ルールを守って使いましょう。精油を原液で使うのは避けてください。体に塗るときは必ず希釈して使いましょう。ボディに精油を使用する場合は小さじ1杯のオイルに対して精油1滴が適量です。

香りを楽しむときは、ディフューザーを使いましょう。もし、すぐに用意できないときは精油をティッシュにたらすだけでも大丈夫。香りが部屋全体に拡散され、アロマタイムが実現します。

今年はいつものクリスマスよりちょっと違ったものにしたい。そう思ったら、香りを加えて特別な夜を過ごしてくださいね。