ナノバブルとは
ナノバブルとは、粒子の大きさが1μm以下のバブルのことを指し、国立研究開発法人産業技術総合研究所と民間企業により開発された日本が誇る革新的技術です。水中に安定して存在し、汚れの吸着や洗浄を得意としています。
この技術は農業、工業、医療、美容の分野で使用され注目を集めています。当社では、個人宅でもナノバブルを身近に使っていただけるよう、ナノバブル発生装置・ビューティアクアを開発。ナノバブルのある暮らしを提案しています。
バブルの歴史
泡はアルキメデスが「浮力の原理」を発見した紀元前3世紀より注目されていました。17世紀になるとガリレオや19世紀のポアソン、ポアズイユやストークスといった偉人たちが物体の浮力、粒子の運動、液体中における気体球の動きについて研究を重ねました。20世紀にはクリフトやグレイスらが気泡の運動について研究を進め、それぞれ功績をあげました。
気泡研究に励んだ偉人たち
紀元前3世紀
アルキメデス シチリア島出身 古代ギリシアの数学者、物理学者、発明家
浮力の原理を発見。
1612年
ガリレオ・ガリレイ イタリアの自然哲学者、天文学者、数学者
浮力に関する論文を発表
1831年
ポアソン フランスの数学者、地理学者、物理学者
粘性のない液体の中で球状の固体がゆっくりと沈降する現象について方程式を導き出す
1838年
ジャン・ポアズイユ フランスの医師、物理学者・生理学者
丸い筒の内部を流れる、非圧縮性の粘性流体が平行な層状に流れるかについて実験
1845年
ジョージ・ガブリエル・ストークス アイルランドの数学者、物理学者
粘りのある液体の中で球状の固体の動きを解析。流体力学、光学、数学などの分野で貢献
1978年 クリフト
液体の中にある気泡や粒状の液体に関する書籍を出版
1978年代 グレイス
同じサイズの気泡がどのような速度で上昇するか、スピード、気泡の大きさや形、物質の性質などとの関係を整理し、固形と気体の運動について研究。
このように泡の歴史はとても古く、世界中で注目されてきました。
ナノバブルが誕生するまで
月日は流れ、1990年代に日本でマイクロバブルが誕生。意外と思われるかもしれませんが、最初は洗濯や美容目的ではなく、牡蠣の養殖を赤潮の被害から守るために実用化されました。
1997~1998年に広島湾で「ヘテロカプサ」と呼ばれるプランクトンが異常発生し、赤潮により海洋生物に大きな被害を与えました。広島の名産、牡蠣にも影響をもたらし、40億円を越える被害が出たのです。この解決策として徳山工業高等専門学校の大成博文教授(当時)が世に出したのがマイクロバブルです。
大成博文教授は、水質浄化のため研究を重ねて開発中だった気泡発生装置を牡蠣用に改良し実地実験をおこなったところ、牡蠣の死滅が免れたのです。このときの気泡発生装置がナノバブルのはじまりです。
その後、技術が応用されナノバブルが誕生。計測機器や技術の進歩とともに発展を遂げ、化学、液晶・半導体・太陽電池製造、食品衛生管理、化粧品、農業、漁業、医療の分野で利用されています。ナノバブル発生装置やシャワーヘッド、洗濯ホースアタッチメントが売り出される前から私たちの生活を支えています。
参考:J-STAGE, マイクロバブルによる富栄養貯水池の水質改善工と浄化効率
テレビでも注目・ナノバブル
2015年にはNHKクローズアップ現代でも取り上げられました。養殖魚のサイズを2倍にしたことや、雑菌の繁殖を抑えて、食品の保存期間を5倍に延長させたこと。工業製品の洗浄力が薬品を上回ることや、醸造・発酵にも活用できることなど特集が組まれました。
出典: 日本放送協会(NHK),“小さな泡”が世界を変える!?~日本発・技術革命は成功するか~
ナノバブルとマイクロバブルは同じもの?ちがいは何?
ミリバブル、マイクロバブル、ナノバブル、調べているといろいろな名前が出てくるかと思いますが、すべて同じではありません。泡のサイズによって呼び名が異なります。
私たちが日常の中で目にしている泡をミリバブルと呼び、100μm以上のバブルのことを指します。そして、1μm~100μmの気泡をマイクロバブル、1μm未満になるものをナノバブルといったように分類しています。
・ミリバブル(非ファインバブル)
サイズ|直径100μm以上
上昇速度|直径1㎜の気泡・5~6m/分
特徴|
一般的に水中にある泡は、水中を上昇し水面に達すると破裂します。目視が可能で、浮上するスピードが速いのが特徴的です。
マイクロバブル(ファインバブル)
サイズ|直径0.5~100μm
上昇速度|直径10μmの気泡・3㎜/分
特徴|
マイクロバブルは白く濁った色をしているため、目視可能です。ゆっくりとした速度で上昇し、水面に到達するまでに消滅します。
ナノバブル(ウルトラファインバブル)
サイズ|直径1μm未満
上昇速度|不規則な運動(ブラウン運動)をくり返し、水中に長時間残ります。
特徴|
ナノバブルは毛穴や髪の毛より小さく無色透明のため、目では確認できない微細な気泡です。気泡表面がマイナスに帯電しているのが特徴です。帯電というのは泡のまわりにマイナスイオンがコーティングされているような状態。マイナス同士が反発しあうため、結合することなく、泡の密度がキープされます。
これらはブラウン運動という不規則な運動を行っており、泡の浮力よりも大きな力を持っています。ナノバブルが水面へ上昇せず、水中に長時間存在できるのはこの働きが大きく作用しているのです。
マイナスイオンにコーティングされたナノバブルがブラウン運動を繰りかえす中でプラスに帯電した汚れを引きつけます。ナノバブルを使用すると水まわりの掃除がラクになるといわれているのはこの性質からいわれています。
大きさの比較
ナノバブル 1μm(0.001㎜)
毛穴 100~300μm(0.1~0.3㎜)
髪の毛 70~80㎛(0.07~0.08㎜)
人の細胞 25~6㎛(0.025~0.006㎜)
スギ花粉 20~40μm(0.02~0.04㎜)
黄砂 4μm(0.004㎜)
この一覧をみるとナノバブルがいかに小さなものか、イメージがつきやすくなることでしょう。毛穴の汚れや黄砂、スギ花粉を引きつけて洗い流せる理由はこの小ささにあります。
身近に使えるナノバブル
ナノバブルが家庭で注目され始めたのは、ナノバブルを生成するノズルやシャワーヘッドが登場してからのことで、ここ数年の出来事です。それ以前より様々な産業で利用されており、私たちの知らないところで生活を支えていました。しかし、農業や漁業といわれても直接的ではないため、ピンとこないかもしれません。ここでは身近な場所で使われているナノバブルを紹介します。
美容室
美容室のシャンプー台にナノバブルが導入されています。微細な泡がキューティクルのすきまや毛穴に入り、シャンプーだけでは落ちにくい皮脂の汚れやシャンプーの残留を除去します。頭皮や髪を傷めることなく効率よく流せると美容師たちから評判です。
歯医者
歯医者では、歯周ポケットより小さなナノバブルが患者さんの口腔内を清潔に保ちます。他にはユニットチューブのバイオフィルムを剥離し、チューブ内をコーティング。再付着を防ぎ、パッキンや金属パーツの腐食から守っています。ナノバブルを取り入れることで院内の水環境が充実します。
公共施設
高速道路のサービスエリアにあるお手洗いでもナノバブルが大活躍。マイナスの電荷を帯びたナノバブルがプラスの電荷を帯びている汚れを吸着してはがすため、清掃作業の効率化、節水、洗剤の使用量削減に役立っています。大勢の人が行き交う場所でニオイを抑えて、きれいをキープ。利用者と環境に配慮した素晴らしい取り組みです。
ナノバブルを日常に
美容、医療、公共施設、身近な場所で活用されているナノバブル。利便性のよさから、シャワーヘッド、洗濯ホースアタッチメントなど家庭で使用できるように製品化されています。しかし、それぞれの場所で取り付けると壊れるたびに交換の手間がかかるというデメリットが生じます。
そこで重宝しているのが、ナノバブル発生装置・ビューティアクアです。水道管の根元に付けるだけで家中まるごとナノバブル水が使える優れもの。シャワー、浴槽、キッチン、洗面所、お手洗い、家庭菜園、洗車、ペットのシャンプー、すべてナノバブルが使えます。水道管に設置するので、給湯器のお湯もナノバブルになるため新しい機器を導入する手間や、新たなごみを増やしません。
一度設置すれば交換いらず、メンテナンスフリーでランニングコスト不要というメリットがあります。新築時にいろいろな設備を検討する中で、長期的な視点でみたときに経済的効果の高い設備を設置したいと考える方から選ばれています。どの世代にも喜ばれるナノバブルを取り入れて、時短家事ラクを体験してくださいね。