人間の体の約60%は水分で構成され、体温調節、栄養素の運搬、老廃ぶつの排泄など生命活動に役立っています。うまれたばかりの新生児の水分量は75%と多く、標準的な成人男性が約60%、成人女性は55%。高齢になると50%程度まで減少します。水分量が減ると、肌の乾燥や脱水などに気をつけようと意識が向きますが、もうひとつ注意が必要なのが頭痛です。今回は水分不足による頭痛の特徴と対処法を紹介します。
▼なぜ、水分不足で頭痛になるのか

水分不足になると頭痛になるのは脱水症状の一種です。血液の濃度が高くなり流れが悪くなることにより脳への酸素や栄養の供給が滞り、酸欠状態になるのが原因のひとつです。その他には血管が膨張して周囲の神経を刺激することや電解質の乱れによって頭痛が起こります。
▼水分不足頭痛の特徴
・部位
こめかみからおでこの上あたり
・痛みの種類
脈を打つようなズキズキとした痛み
頭が締めつけられるような痛み
・体の変化
吐き気、めまい、倦怠感、だるさ、集中力の低下
▼水分不足頭痛の対処法

1.水分補給する
1日に必要な水の量は2リットルといわれますが、一般的に体重1kgにつき40mlが適量といわれています。体重60kgの人であれば2.4リットルの水分量が必要です。しかし、2.4リットルも飲む必要はありません。1リットルは食事から得られますので、実際には1.4リットルを目安に補給すれば大丈夫です。
下痢や吐き気のような脱水症状が強い場合は電解水を摂取しましょう。スポーツドリンクに比べて糖分が少なく、電解質濃度が高いため、素早く水分補給したいときに向いています。スポーツドリンクは糖分が多く電解質が控えめなので、日常的に水分チャージするときに飲むとよいでしょう。
2.安静にする
頭痛を感じるときは音や光に敏感になるので、照明を落とし静かな部屋で横になるようにしましょう。こめかみに痛みを感じるときは冷たいタオルや冷却シート、氷枕で冷やしてやわらげましょう。
リラックスするためにお風呂に入ると血管がひろがってさらに重くなる可能性があるので避けてください。こめかみあたりがズキズキするときはマッサージでやわらげたくなりますが、こちらもお風呂と同じ理由でおすすめできません。痛みの部分を冷やしてゆっくり休んでくださいね。
3.体を締めつけない
体の熱を逃がしやすくするために体を締めつけるような下着は避けて、ゆったりとした服を着ましょう。素材は綿や麻が好ましいですが、汗が気になるときは吸湿速乾機能のあるものを身につけると、汗をかいてもすぐに蒸発し体温の上昇を防ぎます。
出先での頭痛が心配なときは首回りがすっきりしたデザインのものを着ると締めつけ感がなく、快適に過ごせます。長袖の場合は袖口が広いものを着ると通気性がよく、熱の溜め込みを防げます。
▼水分不足頭痛にならないために

・水分補給のタイミングを意識する
水を一度にたくさん飲んでもうまく吸収されず、体外に排出されます。さらに飲みすぎるとむくみの原因になることも。コップ一杯の水をこまめに摂取するようにしましょう。
・喉が渇かないようにする
水分をこまめにとるのと同じように大切なのが、喉の渇きを感じる前に飲むことです。喉の渇きは脱水がはじまっているサイン。水分不足になりやすい起床後、運動前後、入浴前後、就寝前に水分補給を習慣づけてくださいね。
・水分量の分かる体重計を使う
実際にどれくらいの水分量があるのか分からないときは、体の水分を計測できる体重計を使って確認するのもおすすめです。血液、リンパ、細胞外液、細胞内液など、体重にしめる水分量の割合を計測します。どういうときに減りやすいのかをチェックすると水分補給がしやすくなります。
・目盛りのあるマグカップ、水筒を使う
水を飲む習慣のない人や飲むのをついつい忘れてしまう人は目盛りのついた水筒やマグカップを使って、1日の水分量をコントロールしましょう。特に冬は注意が必要です。汗をかく機会は減りますが、冷たい外気や暖房によって気づかないうちに乾燥してしまうからです。前述したように1日に必要な水分量は人によって異なりますが、1時間に150~180mlを目安に飲むように心がけてください。
・ナノバブルのお風呂に入る
水分不足による頭痛を予防するには、こまめな水分補給と血液循環をよくすることが大切です。しかし、湯冷めが気になる人もいることでしょう。そんな人にはナノバブル水の湯船につかりましょう。
湯冷めが起きる原因は、温まった体を元の体温に戻そうとする働きが起きるからです。この状態のときに外気に触れると、体に残った水分が冷えて体を冷やしてしまいます。しかしナノバブルは泡が体に密着することによって上昇した体温をキープします。通常のお湯より湯冷めしにくくなり、体のめぐりをスムーズにします。
水分不足による頭痛は脱水のサインです。こまめな水分補給と入浴でしっかり予防して健康的に過ごしてくださいね。