自律神経の乱れを整えるには?交感神経・副交感神経を徹底解説

自律神経の乱れを整えるには?交感神経・副交感神経を徹底解説

4月から新しい環境で気をはっていたのに、ゴールデンウィークに気持ちがゆるみ、なんとなく不調が続き気分が上がらない。もしかしたら、自律神経が影響しているかもしれません。このコラムでは自律神経とはどういうものか、自律神経を整える6つのヒントを紹介します。チェックリストもありますので、いつものことだからとあきらめないで、自分に最適なリズムを取り戻しましょう。

▼自律神経とは

自律神経は自分の意思でコントロールできない神経です。交感神経と副交感神経から成り立ち、それぞれがバランスをとりながら呼吸や体温、心拍数、内臓の動き、代謝などをコントロールしています。

交感神経と副交感神経は一つの器官に対して異なる反応をします。交感神経は昼の神経といわれ、興奮しているときや体が活発なときに優位になります。階段を駆け上がると息が上がったり、汗をかいたりする。緊張すると心臓のバクバクが止まらない。これらが代表的な例です。

副交感神経も自分ではどうすることもできない神経で、夜の神経といわれています。それは休息時間に優位になる神経だからです。食後にうとうとしているときのように体がリラックスしているときに働いています。

▼自律神経が乱れるとどうなる?

自律神経が整っていると日中は活動的に動けるように司令を出し、夜になると自然に眠りにつけるようなリズムを生み出します。しかし、連休によって昼夜逆転したり、食事の時間が不規則になったりすると、自律神経が乱れてさまざまな不調をきたします。

仕事や家庭でのストレスを強く感じてイライラが長引くと交感神経が優位になり、副交感神経の出番がなくなってしまうのです。その結果、夜になっても眠くならない、内臓の働きが低下して便秘気味になるというような現象が体にあらわれます。

▼自律神経の乱れチェック

自律神経は自分でコントロールできませんが、乱れているかどうかのチェックは可能です。次にチェックリストを作りましたので、何個あてはまるか確認してくださいね。

  • 常に眠気を感じる
  • ベッドに入ってから眠るまでに時間がかかる
  • 通勤以外は歩かない
  • 忙しくなると集中できなくなる
  • 連休になると昼夜逆転してしまう
  • ささいなことでストレスを感じる
  • お酒は毎日飲む
  • 決まった時間に食事をとるのが難しい
  • スマートフォンを見ながら寝落ちしてしまう
  • 人間関係で考えごとをしてしまう

3つ以上あてはまる人は要注意。

生活習慣を見直しましょう。

▼自律神経を整える6つのヒント

1.朝日を浴びる

いくら長期休暇をとっても昼夜逆転して寝る時間が不規則になると自律神経が乱れやすくなります。その鍵を握っているのがサーカディアンリズム(概日リズム)という約24時間周期の体内時計です。この仕組みが自律神経のリズムを正しくキープしています。

体内時計をリセットしたいときにやることは太陽の光を浴びることです。やり方は簡単。どんなに遅く寝てもいつも通りに目覚ましをセットして起きるだけです。目覚めたらすぐにカーテンを開けて15秒ほど光を浴びるだけで自律神経が整います。

2.バランスの取れた食事

朝日を浴びるのと同じように体内時計を整える役割をするのが食事のタイミングです。いつも同じ時間に食べることで腸が刺激され、自律神経が整います。寝起きは食欲がわかない人もいるかもしれませんが交感神経にスイッチを入れる意味も込めて、おにぎりやヨーグルト、ナッツなどエネルギー源になるものを口にしましょう。

昼と夜はバランスの取れた食事を意識しましょう。そう聞くと野菜を多めに食べるイメージがあるかもしれませんが、それだけでは偏りが生じます。栄養素の役割はそれぞれ違いますので、まんべんなく食べることが重要です。

【五大栄養素・それぞれの役割】

  • 体を動かすエネルギー源・・・炭水化物、脂質、たんぱく質
  • 体の組織を作る・・・たんぱく質、ミネラル、脂質
  • 体の調子を整える・・・ビタミン、ミネラル

今、必要なものはエネルギーか組織作りか、整えることか。必要なものを選んで食べてくださいね。

3.適度な運動、ストレッチ

集中しなくてはならないシーンでぼんやりしてしまうときは、交感神経が上がる運動をしましょう。少し息が上がって心拍数が早めになると交感神経が高まっているサインです。エレベーターに乗るところを階段にしたり、いつもより早目に歩くように意識したりすると、活動モードにつながります。

緊張や不安でリラックスモードにならないときはストレッチしましょう。ただし、痛みを感じるものは交感神経が優位になってしまいますので、気持ちいいと感じるレベルでチャレンジしてください。体を動かすのが苦手な人は、伸びをして体を左右に倒すだけでも立派なストレッチになります。できる範囲でやってみてください。

4.ハーブティーやアロマでリラックスする

仕事モードに切り替えたいときはペパーミントのハーブティーがぴったりです。すっきりとした味と香りが頭をクリアにし、前向きな気持ちに導きます。同時にグレープフルーツやレモン、ブラックペッパー、ローズマリーの精油をたくと集中力アップ。ハーブティーとアロマの相乗効果でパフォーマンスが上がることでしょう。

副交感神経を高めてのんびりしたいときに最適なハーブティーはローズヒップです。ビタミンCが豊富に含まれており、過度なストレスによって不足しがちなビタミンCをチャージして自律神経を整えます。

5.ぬるめのお湯につかる

ゆっくりしているはずなのに日中のイライラや不安が取れないときは交感神経が強く出ているサイン。リラックスタイムを作って副交感神経を高めましょう。一番気軽にできることは湯船にゆっくりつかることです。お気に入りの入浴剤でごほうび時間を作ってください。

肩こりや足のだるさなど、肉体的に疲れを感じる場合は炭酸ガス系がおすすめです。シュワシュワとお湯にとけた炭酸ガスが皮膚から吸収されて血行を促し、疲れを癒します。精神的な疲れに対しては好きな香りを選ぶと気持ちがほぐれやすくなります。エプソムソルトは汗が出やすくなるため、爽快感がありますが、原料であるマグネシウムが体に必要なミネラルを排出する働きがあるため使用後はミネラル補給を忘れずに行いましょう。

6.質の良い睡眠をとる

朝、太陽の光を浴びると体内時計がリセットされるのとは逆に、夜に明るい光を浴びると体内時計が狂ってしまいます。特にスマートフォンやタブレット、パソコンから発するブルーライトは脳を覚醒させるので交感神経が優位になり寝付きが悪くなる原因に。就寝1時間前はそれらの機器を遠ざけると睡眠の質が高まります。

部屋の照明も昼白色の明るいものより落ち着いた電球色を選びましょう。目の疲れを癒しながら気持ちを落ち着かせます。カーテンの色もベージュやブラウン、パステルカラーにするなど、工夫するとさらに眠りやすくなります。

自律神経の乱れは緊張が続いているからということではありません。本来ならば活発に動かなくてはならない時間にのんびりモードが続いているのも問題です。乱れているかもと思ったら交感神経と副交感神経のどちらが優位になっているのか、行動や体調から読み解いてみてくださいね。