ふと、昔の写真を見返してみてビックリ。私ってこんなに老けてしまったの。老化は避けて通れないと頭では分かっていても、10年前にはなかった目尻のシワやあごのたるみをみつけてしまうとがっかりしますよね。今回は老化のカギをにぎる酸化と糖化について解説します。最後まで読んで日々のルーティンに取り入れてください。
▼酸化とは

老化の原因は「酸化」という化学反応が原因です。切ったりんごをそのままにしておくと茶色くなってしまった。これが酸化した状態です。私たちの体内でも同じような現象が起き、年齢をかさねるごとに酸化しやすい体質に変化します。
細胞内にはエネルギーを生み出すミトコンドリアという器官があるのですが、これは酸素を介してエネルギーを作り出します。このときに一部の酸素が活性酸素に変換されます。そして周りの細胞を傷つけて機能不全する性質があります。
この傷ついた状態が酸化といわれるものです。体がさびているというような表現もするので耳にしたことがある人もいるかもしれません。若いときはこの活性酸素をなかったものにする力があるのですが、年齢とともに減少します。さらに紫外線やストレス、飲酒などの要因によってさびる要素は増えるばかり。酸化による老化はどんどん進んでいくのです。
▼糖化とは

酸化と同時に知っておきたいのが糖化という化学反応です。糖化は体内であまった糖質とたんぱく質とが合わさることでたんぱく質が劣化する反応のことをいいます。さまざまな課程を経て最終的にはAGEsが作られ、老化を促す原因物質になります。
酸化は「さび」といわれますが、糖化は「こげ」という風に表現されます。砂糖と卵を加えて焼くとこげができますが、その反応が体の中で起きているイメージです。
こげの原因、AGEsは見た目に影響を与えます。肌の弾力をキープするコラーゲンを劣化させてたるませたり、肌の水分を奪って乾燥させたり、シワやシミ、くすみを引き起こしたりする物質としてしられています。
▼若さを保つ・3つのルール
1.食事の見直し

酸化の原因は活性酸素ですので、抗酸化物質を含む食材を選ぶようにしましょう。糖化の原因は糖とたんぱく質とお伝えしましたが、簡単にいうと糖があまっている、いわゆる高血糖になると増えるため、血糖値のコントロールを意識しましょう。
抗酸化物質を含む食材
献立を考えるときはビタミンACEを取り入れましょう。これらを上手に取り入れるにはサラダがおすすめです。ゆで卵、チーズ、赤パプリカなどの野菜にマグロを合わせてコブサラダのようにすると栄養豊富なサラダのできあがり。仕上げにレモンドレッシングをかけると欲しいビタミンが全部取れます。
抗酸化物質を含む食材)
- ビタミンA
肉類:レバー
魚介類:あん肝、うなぎ
卵・乳製品:卵、牛乳、チーズ
- ビタミンC
果物:レモン、リンゴ、キウイ
野菜:赤パプリカ、キャベツ、セロリ、ブロッコリー
- ビタミンE
魚介類:うなぎ、たらこ、カツオ、さんま、マグロ
大豆製品:きな粉、豆乳
野菜:小松菜、モロヘイヤ
血糖値を上げない食材
糖化を防ぐためには血糖値を上げにくい低GI食品に注目しましょう。ベジファーストと呼ばれる方法で食べる順番にも工夫すると食後の血糖値が抑えられます。食物繊維の豊富な野菜・海藻・きのこ→たんぱく質が含まれる肉や魚、卵→糖質の多いご飯やパンの順番を意識するとよいでしょう。
低GI値の食材)
穀物:玄米、そば、押し麦、全粒粉パン、ライ麦パン
野菜:キャベツ、レタス、ブロッコリー、玉ねぎ、ごぼう、きのこ類
果物:りんご、いちご、メロン、グレープフルーツ、みかん
豆類:大豆食品
海藻類:わかめ、昆布
乳製品:牛乳、チーズ、ヨーグルト
魚介類:サバ、イワシ
2.日焼け対策

体をさびさせるスイッチは食事だけではありません。紫外線もその要因のひとつです。紫外線を浴びると周りへの影響が強い活性酸素を発生させて肌の老化を早めます。いわゆる「光老化」という現象を引き起こすのです。
少しでも紫外線から肌を守るために、帽子や日傘で対策しましょう。選ぶときのポイントは紫外線遮蔽率です。数値が高いほど紫外線を遮り、UVカット率と表記されているケースもあります。
製品によってはUPF率表記のものもあります。UPFは世界基準・UltraViolet Protection Factor(紫外線保護指数)の略称で、15以上のものが望ましいとされ最高値は50+です。
遮光率というのもありますが、それはまぶしさをどれだけ防ぐかという意味です。購入前に表示をしっかり読み、用途に合わせて選んでくださいね。
3.適正な飲酒量を守る
適度なアルコールはストレス発散になりますが、過度に摂取すると糖化を促します。アセトアルデヒドがたんぱく質と結びつき老化の原因物質であるAGEsを発生させるからです。
具体的にどのくらいの飲酒量から過度と呼ばれるのか、厚生労働省のガイドラインで調べてみると、生活習慣病のリスクを高める飲酒量は男性の場合、純アルコール40g。女性の場合は20g以上。1日20gが適正量とのこと。糖化が気になる人は守っていただきたい数値です。
純アルコール量の計算方法は「アルコール度数÷100✕飲酒量✕0.8」を算出したものです。下記に目安を記載しましたのでご確認ください。
- 適切な飲酒量)
- ビール:500ml缶 1本
- ワイン:グラス2杯弱
- 日本酒:1合
- チューハイ:350ml缶 1本
- 焼酎:100ml
- ウィスキー:60ml
飲みすぎを防ぐためにはノンアルコールに変えたり、ペースを落としたりして、全体的に飲む量を調整しましょう。
医学的に見た目が若い人は細胞も若く病気になりにくいといわれていますが、これは酸化と糖化を上手にコントロールできているかどうかにつながります。老化は避けて通れない部分ですが、酸化と糖化のメカニズムを知ることで遅らせることは可能です。この2つを意識していつまでも若々しさをキープしましょう。