近年、マイボトルの使用が増えると同時に、冷蔵庫の製氷機で氷を作る機会も増えたのではないでしょうか。しかし水を入れるだけで便利な一方、くさくてまずいから使わない人もいると思います。今回はなぜ、冷凍庫の氷は臭うのかその原因とおいしく作る方法について解説します。
▼氷がくさいと感じる原因

1.冷蔵庫の食べ物
氷は水を凍らせるだけで作るのに、なぜニオイがあるのだろうと感じる方もいるかもしれませんが、水や氷は食べ物のニオイが移りやすい性質があります。そのため、水が凍っていく過程で庫内のニオイが氷に移ってしまうのです。
2.カビの発生
食べ物以外に原因となるのがカビです。カビが発生しやすい温度は5〜35度といわれ、庫内を5度前後に設定している場合、カビが生えやすくなってしまうのです。その影響で氷もくさくなってしまう可能性があります。
3.自動製氷機の洗浄不足
氷からいやなニオイがする以外になんとなく茶色いと感じたら、製氷機に汚れがたまっている可能性があります。給水タンク、製氷皿、貯氷タンク、それぞれ清潔に保つようにしましょう。ついつい水でサッと流すだけにしがちですが、そうするとぬめりが発生することも。食器用の洗剤を使って、ていねいに洗ってくださいね。
▼氷のニオイをなくすには?

いくらおいしいお茶やお酒を作っても氷のニオイが移ってしまったら台無しです。では、できるだけ氷のニオイを抑えるにはどうしたらいいか、日常的にできることを紹介します。
1.冷蔵庫内を清潔に保つ
冷蔵庫にある食品もニオイの原因のひとつです。そのため、キムチやニンニクのようなニオイの強いものは密閉容器に移し替えましょう。ちょっとしたときにこぼれたソースや野菜クズも拭き取って清潔な状態を保ちましょう。こまめにできない場合は脱臭剤を使うのもひとつの手です。冷蔵室、野菜室、冷凍室、専用のものがありますので、場所によって使い分けましょう。
2.クエン酸洗浄する
自動製氷機のパーツを洗うときは中性洗剤を使って洗えますが、パイプ部分もきれいにする場合はクエン酸洗浄をしましょう。クエン酸が持っている殺菌・消臭効果で水アカもすっきり落とせます。
用意するもの)
水 300ml
クエン酸 大さじ1
食紅 軽く色がつく程度
※食紅はクエン酸水が全て流れきったかどうかを確認するために使用します。不要な場合は入れなくても大丈夫です。
手順)
① 水、クエン酸、食紅をまぜてクエン酸水を作る。
② ①で作った水を給水タンクに入れる。
③ 氷ができるまで待ち、赤く色のついた氷ができたら捨てる。
④ 水道水で氷を作り、クエン酸が含まれなくなるまで繰り返す。
⑤ 氷にクエン酸水が含まれなくなったら、給水タンク、製氷皿、貯氷タンクを洗浄。
頻繁に氷を使わない、もしくは冷蔵庫の購入から年数が経っている場合はパイプの中まで洗浄してみてくださいね。
3.製氷皿を使う
自動製氷機を洗っても、ニオイが気になるときは製氷皿を別に購入して作ることをおすすめします。製氷皿は水筒に入れるサイズやウイスキーグラスに合うものといったようにラインナップが豊富なので、使い道に合わせて購入できるのもいいところです。
また、自動製氷機で作った氷はそうめんや冷しゃぶなど、料理を冷やすことに使用して、ドリンク用は製氷皿を使うというようにするとお気に入りの飲み物にニオイが移らなくなりおいしく楽しめます。
▼氷はミネラルウォーターを使った方がいい?

氷が臭うのは水道水を使っているからだと思われるかもしれませんが、自動製氷機能がついている冷蔵庫は「水道水」を推奨しています。
それは水道水に含まれている塩素が水中の雑菌を防ぐ働きがあるからです。氷は一瞬でできるものではなく、時間がかけてできあがっていくものなので劣化を防ぐためにも塩素の力が必要なのです。
もちろん、ミネラルウォーターや浄水器の水で作れる冷蔵庫もあります。それでも水道水が推奨される理由は日持ちです。水自体は腐らなくても、水に含まれる不純物が腐敗するケースがあるからです。また、水道より硬度の高い硬水を使用すると自動製氷機のタンクなどにミネラル成分が付着し、ダメージを与えることもあります。少しでも長く製氷機能を使えるように水道水を使いましょう。
▼おいしい氷を作るポイント
市販の氷はきれいな透明なのに、家で作る氷は白く、透明度が低く感じられると思います。それは水分中に空気や不純物が混ざっているからです。水は外側からかたまり、空気や不純物はどんどん内側に寄せられていきます。その寄せられた部分が白くにごってみえるのです。
1.不純物の少ない水を用意する
日持ちは期待できませんが、不純物の少ないミネラルウォーターや浄水器の水を使うと透明度の高い水ができやすくなります。ただし、硬水を使うと氷が白くなる傾向にありますので、軟水を使いましょう。
2.時間をかけて凍らせる
急速に凍らせた氷は空気等の不純物が早い段階で閉じ込められ、空洞ができやすくなります。そこで重要なのはゆっくり時間をかけて凍らせることです。これにより水に含まれる空気が抜けて透明度が高まります。
3.こまめに水を交換する
氷は外側から凍り、内側に空気がたまっていく特性があります。そのため、3分の2程度凍ったタイミングで残った水を捨てて、新たな水を入れるというのを繰り返すと透明度の高い氷が完成します。
▼氷の消費期限はいつ?
氷には明確な消費期限がなく、冷凍していると傷みにくいというイメージがあるため、日持ちに関して気にすることがないかもしれません。実際に品質に関しては消費期限がありません。しかし、長期保存することでニオイや霜がついたり、氷が小さくなったりするデメリットが生じます。なるべく変化させることなくそのままの状態で保存し、使いたいときにすぐ使えるようにするには保存方法を工夫しましょう。
1.適切な容器に入れる
できた氷を貯氷タンクに入れておけばサッと取り出せて便利ですが、できたままの状態を保つためには密閉容器に保存しましょう。空気との接触が防げることで、劣化とニオイ移りが防げます。
2.冷凍庫の温度管理
氷の状態を維持したいときは冷凍庫の保管温度を調整しましょう。理想的な温度は-18度以下です。そして一定の温度を保つことが求められます。そうでないと部分的にとけたり、再凍結したりして、品質が損なわれてしまうからです。冷凍庫を開けっぱなしにすることも劣化につながりますので、開けたらサッと閉めましょう。
3.定期的に霜を取る
冷凍庫内の霜が厚くなると冷却効率を低下させるため、定期的に霜を取る必要があります。
機能させる原因になります。それだけでなく冷却力が落ちることにより、消費電力が増加するため、光熱費にも響きます。霜ができたらそのままにせず、定期的に除去することが大切です。
まだまだ暑く、氷が手放せない季節が続きます。くさくてまずいと感じたら庫内の掃除からはじめて、水にもこだわってみましょう。ひとつずつ試して、おいしい氷を作ってみてくださいね。