春なのに身体が寒い!春冷えの原因と対策

春なのに身体が寒い!春冷えの原因と対策

日中は暖かい日が増え、すっかり春を感じられる季節です。心地よく過ごしやすい季節と思いきや、 実はそんな春に冷えを感じる人が続出。時には冬以上に足先が冷たい感覚に陥ることも。季節の変化から大事な身体を守るため、ここでは春に身体の冷えが起こる原因とすぐにできる対策をご紹介します。


▼春に身体の冷えが起こる4つの原因

1. 三寒四温の気温差

三寒四温とは2月から3月にかけて起こる現象で寒い日が3日ほど続いた後に暖かい日が4日続くという意味があり、その周期のことを示しています。ポカポカしたイメージの強い春ですが、実は1年の中で最も寒暖差が激しい季節なのです。日中と夜の寒暖差が10度以上になる日もあるため、お花見をして終わる頃には身体が冷え切ってしまったということも起こりやすいのです。

このような季節の変わり目に起こる寒暖差によって身体が緊張状態になりやすく、交感神経が優位になります。血行は自律神経によって調整されているため、そのバランスが不安定になると冷えを感じやすくなってしまうのです。

2.上半身と下半身で感じる温度の違い

人は体内でおよそ5~6度の温度差があるのはご存じでしょうか。内臓が集中している上半身は下半身よりも体温が高く、足に近づくにつれ体温が低くなります。そのため、足元の方が寒く感じやすいのです。

春になると日照時間が増えたり、気温が上がったりして上半身が温かくなる一方、足元は衣替えをしてブーツやタイツをはかなくなるため、どちらかというと冷えやすい環境になっています。そこで意識してほしいのが頭寒足熱です。のぼせやすい頭は涼しく、体温が下がりやすい足元は温めて身体全体を一定の温度にキープするという東洋医学の考え方です。外は温かいのに、私の足はひんやりと思ったらこの言葉を思い出して整えてくださいね。

3.服装の変化

桜の季節になるとコートを着る機会が減り、春仕様の装いに変わっていきます。しかし、冬に逆戻りしたかのように冷え込む日もありますので、完全に衣替えをするのは少し待ってくださいね。春冷えが気になるときは見た目のおしゃれも重要ですが、気温にあった服装を心がけて冷えから身を守りましょう。

気温が低い日に薄着になると体感が寒くなるだけではありません。その寒さがストレスになって自律神経のバランスを崩しやすくするのです。それが血行に影響を与えて、冷えを生み出すという悪循環に陥ります。出かける前に天気予報を見て、帰る時間に適した服装選びをしてください。

4.冷たいものを取りやすい

冬の食卓は鍋やシチュー、スープが並び、温かい食べ物を口にする機会が多くなります。しかし、季節の移り変わりとともに、冷たいものを選ぶようになると身体の冷えにつながります。

さらに栄養バランスが偏ってタンパク質やビタミン、ミネラルが乏しくなると筋力が不足し、熱を作るエネルギーが低下してしまいます。夏に向けてダイエットしたいからといって急に食事量を減らすのも同じ現象が起こるため要注意です。

また、春は別れや新しい生活が始まるため心が揺らぎやすい季節でもあります。緊張やストレスをゆるめるような場所で食事をするのも冷え予防に最適です。自宅でリラックスしながらお気に入りスイーツを食べるのもいいですね。


▼春冷え対策術

1. 「3つの首」を温める

身体を温めるときは、血流が活発に流れている部分を中心に温めましょう。その代表的な部分が「首」「手首」「足首」の3か所です。3つの首と呼ばれるこの部分を温めると血流がスムーズになり、冷えを軽減できます。

外出中に冷えを感じるときはカイロや温かいドリンクの入ったペットボトルが役立ちます。それらを3つの首にあてると冷えを軽減できるからです。ただし、熱をもったものを同じ部位に長くあて続けると、低温やけどを引き起こす可能性があるため、注意してくださいね。

自宅に帰ったら、湯船に入って全身を温めましょう。おすすめのお湯の温度は40度です。熱すぎるお湯に入ると体温がグンと上がりますが、体温を一定に保とうとする恒常性という働きが一気に下げようとするため、湯冷めしやすい傾向があります。冷え解消には、適度な温度でじんわりと温めることが大切です。

2.身体を温める食べ物と飲み物を積極的に摂る

身体の冷えを防ぐためには、食べ物と飲み物の見直しから始めましょう。いつものごはんに身体を温める食材を取り入れるだけで体温の上昇が期待でき、代謝アップにつながります。

代表的な食材は人参、ごぼう、大根などの根菜類。納豆、味噌、醤油、チーズ、ヨーグルトといった発酵食品や玄米があげられます。もう1品増やしたいと思ったら、これらを選ぶとよいでしょう。また、体の熱の多くは筋肉で作られます。そのため、筋肉作りに欠かせない肉や魚、卵などのタンパク質も積極的にとってくださいね。

ポカポカ状態をキープしたいときは食べ物だけでなく、飲み物も意識しましょう。身体を温めたいときにおすすめのドリンクは、しょうが湯やココア、ルイボスティーやホットワインなどがあります。緑茶やコーヒーは尿の排泄を促す役割があり、排尿とともに熱を外に逃がしてしまうため、冷えが気になるときは不向きです。

3.身に着けるもので調整する

春になると、ブーツやコートといった寒さ対策のアイテムを身に付ける人がに減っていきます。少し肌寒いと思っても、つい薄着をしてしまいがち。薄手の春物に様々なアイテムをコーディネートして、温かさをプラスしていくのが春の着こなしのポイントです。

春冷えに負けずにおしゃれを楽しむには、ストールやカーディガン、手袋やタイツなどを取り入れて身体の温かさを保ちましょう。

簡単に着脱が可能なアイテムであれば、日中の暖かい時間と夜の肌寒い時間で自分の体感温度に合わせて調節をすることができます。また、外からは見えないカイロや腹巻きで内側から身体を温めるのもおすすめです。

機能的だけれど見た目が季節外れになるのではないかと無理をしてきた方も多いかもしれませんが、工夫次第でおしゃれを楽しみながら身体を温めることもできます。

4.軽い運動で筋力トレーニング

冷えを解消するためには、基礎代謝を上げることが重要です。寒い冬はどうしても家の中にこもりがち。なかなか積極的に運動する機会がないまま春を迎えると、筋肉は萎縮して細く固くなり体内で熱を生み出す力も弱くなります。その結果、全身の冷えにつながるのです。

基礎代謝を上げることで全身の血流が良くなり、体内で脂肪をしっかり燃焼できる身体へと生まれ変わります。基礎代謝を上げるために有効な方法は、ウォーキングやストレッチ、ヨガに筋力トレーニングといった全身を使った運動です。

運動不足の人は、通勤時に腕の振りや姿勢を整えて歩くことを意識するだけでも全身の筋肉を使うことができます。いつもはエスカレーターやエレベーターを使っている場所でも階段を使うようにし、1駅分歩いてみるなど、日常生活の中で無理のない範囲で運動量を増やしていきましょう。


暖かい気候に開放的な気持ちになりやすい春ですが、実はまだまだ寒さの残る季節。春冷えの原因と対策を知り、自分の身体を守っていきましょう。身体を温める方法をぜひ実践してみてください。